日本老年療法学会について
療法士のみならず、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、社会福祉士など様々な予防・医療・介護専門職及び基礎医学分野の研究者を対象としております。
日本老年療法学会について
この度、一般社団法人日本老年療法学会を令和3年7月に設立いたしましたことご報告申し上げます。
本学会設立の背景として、世界的に社会の高齢化は大きな問題となっており、単に寿命を延伸するのみではなく、健康長寿の実現が重視されるようになってきました。健康寿命の延伸のためには、後遺症を残す疾病の予防や改善と、心身の機能の保持や向上が重要な課題となります。障がいを有する高齢者のリハビリテーション、障がいの一次、二次予防、そして高齢者の機能保持や改善において、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士は中核的な役割を担う職種であり、それぞれの専門性から創出された知見を共有することで、よりよい高齢者保健、医療、福祉の実現に近づくことが期待されます。
しかし、現状においてはこれらの職種が一体となって議論できる場は限られており、知見の共有やイノベーションの創出ができにくい状態です。この状況を打破すべく、今回、日本老年療法学会を設立いたしました。本学会においては、理学療法学、作業療法学、言語聴覚療法学のみならず、視能療法学、心理療法学、音楽療法学といった高齢者の療法に関する学問領域や、老年医学、内科学、整形外科学、栄養学、代謝学、リハビリテーション医学、運動生理学、歯科・口腔外科学、薬剤学、看護学、社会学、福祉学など多くの臨床、基礎、社会科学研究分野における健康長寿に関する研究の発展を目指します。療法士のみならず、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、社会福祉士など様々な予防・医療・介護専門職及び基礎医学分野の研究者との交流の場として本学会を設立することにより、ますます深刻化するアジアの国々の高齢化に向けた対策の知見を創出したいと思います。本学会における学際的な活動を通じて、老年療法学の確立を目指し、保健、医療、福祉領域における学術的貢献のみならず、省庁、行政、産業界と連携して、得られた知見を広く社会実装することを目指します。
以上の趣旨をご理解いただき、今後更なる医療・医学の発展と社会への貢献のため、本学会が十分な成果をあげることができますよう、是非ともご指導をよろしくお願い申し上げます。
一般社団法人 日本老年療法学会
理事長 島田 裕之